ボードゲームはじめまして物語

第1話 「トレインレイダー」 それは、グループSNEからはじまった


一番はじめにゲームに興味をもったのは、「グループSNE」Webサイトでした。ちょうど「トレインレイダー」ってゲームが売り出されるよというころだったので、多分、2000年から2001年ぐらい。
ゲームといっても、日本ですぐに想像されるようなテレビゲームではなくて、人と一緒に遊ぶボードゲームや、カードゲームです。
カープス・ゲーム戦記」というゲームの紹介のコラムがそのWebサイトに連載されて、
「あー、昔は、そういえばボードゲームってしたよなー。『いいたびチャレンジ2000km』とか持ってたよなー」
てなことを考えながら、その読み物を興味深く読んでいました。
「今、子どもにゲームっていえば、テレビゲームしか思いつかないよなー」


ちょうどその時、子ども達と「人生ゲームDX」をやったのですが、これが全然、おもしろくなかったんです。
それは、すごい簡単なことで、子どもがこういうゲームに慣れていなかったからです。
例えば、自分のコマがイベントのあるマスに止まります。すると、僕らの時代だったら、
「交通事故で、20万円払う」
とか自分か、字を読むのが得意な奴が読んで、
「ギェー!!」
とか言いながらゲームを進めるのですが、一緒にした子ども達の場合は、
「はい。」
とか言って、20万円を銀行に淡々と渡すだけだったんです。
説明何もなし。金のやりとりがあるだけ。
結婚して、お祝儀を集めるときも、
「ほら、みんなから5万ずつ」(イベントとか、金の値段ととかは正確でないと思います)
って感じなんですよね。
だから、お金がまわっているだけのすごろくで、全然、盛りあがらないんです。
何回か、
「マスの言葉は、みんなに読んであげるんだよ」
とか言うのですが、そのワンゲームの間は、ずっと慣れなかったんです。
その時に、
「あぁ、この子達は、生まれてからこのかた、ボードゲームすらテレビゲームでやってきて、自分で情報を友だちに伝えていくような遊びになれてないなぁ。」
と思ったのです。
それから、じゃあ、こういうゲームに慣れたら、子どもは積極的に友だちとコミュニケーションがとれるようになるのかなとも思いました。


そういうこともあり、とっても楽しそうにゲームをしているこのコラムは、なにかのチャンスになりそうだったのです。
でも、しょせんは外国のゲームです。りんは、ドイツ語をよめるわけでもありませんので、まあ、遠い話のように思っていたのですが、そのグループSNEから、新しいボードゲームが出るというではありませんか。
その名も、「トレインレイダー」。
列車を走らせて、列車同士の戦闘もあるけっこう派手そうなゲームです。
トレインレイダー」は、グループSNEが作ったということもあって、当時はなぜか、本屋さんで売られていました。京都の四条の「談」という本屋さんの3階で、りんはそのゲームを手に入れました。


さっそく家に帰って、取説を読んでみます。Webのサポート記事なんてのもあったので、それも読んでみます。
理解するためには、一度やってみることだ。
妹をさそってやってみました。まずは、取説でもサポートされている簡易ルールです。
最初の1手目(?っていうのかな)から、混乱しました。手順はたくさんあり、それぞれマニュアルのいろいろなところに記載されています。マニュアルのどこに載っているのかを探すだけでも、一苦労です。
これは、はじめてTRPGをしたとき以上(そしてこのときぼくはゲームマスターでした)のパニックです。
全然進まないゲームに妹がキレました。
「全然、おもしろくないわ。もうちょっと、ルールわかりやすいゲームにして」
そして、「トレインレイダー」は、封印されました。
Webのリプレイや、小説を読みながら、
「できたらおもしろそうだなぁ。でも、難しくて、人にルールを説明する自信ないよなー。それどころか、自分でももう一回やってできるかどうかわからないよなー。」
という未練を残しながら。
その時は、まだ健気にもこんなふうに思っていました。
「ゲームをわからない自分って、思っていたよりも現代っ子と同じぐらいゲームが下手なのかも」
今でも、少しそう思っているところもあります。
でも、今は、こうも思っています。
「やっぱり複雑で、煩雑すぎやろう。このルール」
これこそ、コンピュータゲームなどだと、迷わなくてもよかったのですが……。