コンチェルト・グロッソ ウサギさんたちのラプソディ


久方ぶりに、メンバーがそろいました。
といっても、なぜか1年生の子は、最近、毎日来ています。そこに、元気者の4年生が3人。


みんな一緒にできることをしましょうということで、今日のゲームは、りんがひそかに期待して、遊ぶ日を待っていた「コンチェルト・グロッソです。


110枚のカードを使ってするカードゲームです。
でも、頭を使って考えるゲームではなくって、反射的に体を動かして遊ぶジェスチャーゲームです。
元気者の4年生にも、ピッタリですし、小さな子でも楽しめます。
これは、もしかするとあのおとなしい3年生たちも、けっこう夢中になれるのではないかと期待しております。


110枚のカードには、ウサギの音楽家さんたちの絵がかいてあります。
種類は、11種類です。
そのカードを、シャッフルして、プレーヤー全員に同じ枚数ずつ全部配ります。


配り終えたら、自分のカードを整えて山にして自分の前におきます。でも、自分のカードを見てはいけません。


最初のプレーヤーから順番に、自分の山の1番上のカードをめくって、プレーヤー全員が見える場の中央におきます。
あとは、順番にこれをくりかえしていくだけの簡単な簡単なゲームです。


もちろん、ただカードを順番に出していくだけではゲームになりません。11種類あるカードうち4種類のカードが出たら、出来るだけはやく決められたジェスチャーをしなければなりません。


4種類のカードは、「ティンパニー奏者」、「オペラ歌手」、「シンバル奏者」、「指揮者」のウサギが描いてあります。


ティンパニー奏者」が出れば、両手をあげます
「オペラ歌手」が出れば、耳をふさぎます
「シンバル奏者」が出れば、拍手します
「指揮者」が出れば、立ち上がります


でも、それ以外の「笛」や「チェロ」、「バイオリン」や「ピアノ」などが出たときは、ジェスチャーをしてはいけません。


ジェスチャーしなくてはいけないときにジェスチャーをまちがえたり、しなかった人、ジェスチャーをしてはいけないときにジェスチャーをしてしまった人は、失敗です。


また、全員がジェスチャーを正しくしたときは、1番遅くジェスチャーをした人が、失敗になります。


失敗してしまった人は、場に出されているカードをすべて取らなければなりません。また、失敗した人が複数いた場合は、その人たちで、場のカードをわけます。


はやくカードをなくした人が勝ちです。


動作のリファレンスのあるサイトを見つけていたので、あらかじめ人数分のリファレンスを印刷しておきました。


「このカードで、こうするわけ」


で、はたと困ったのが「指揮者」のカードです。


「これはねぇ、本当は、立ち上がるのです」


でも、りんたちは、地べたでカードゲームをしているんですねぇ。椅子でないからきわめて立ち上がりにくい。


「うーん。どんな動作にしようかなぁ」


と迷っていると、子どもたちが、指揮者みたいに手を横に振る動作を提案してくれたので、それで行くことにします。


「じゃあ、カード配るよー」
「えー、もしかして、それ全部配るの?時間なくなっちゃうよー」


との声もあがっていましたが、とりあえず、全部配ります。


「ほれじゃあ、まず、おっちゃんから行くよ」


とカードをめくります。


「これは……」
「なんにもしないやつやー」


はじめは、リファレンスを見ながらのプレーです。


「シンバル」
「手をたたく」
「あ、忘れてた」


2周ぐらいまわると、動作もすべて出て、すっかりおぼえられます。


めくられるときに横を見ていたりすると、負けてしまいますから、みんなゲームに集中しています。
この雰囲気、ちょっと、大人とした「そっとおやすみ」に似ています(笑)。
ピリピリしています。


けっこう、みんな慣れてくると、全員がジェスチャーしたとき、はやいおそいの判定がつかないことも多かったです。
そんな場合は無理に負けを決めずに、場のカードをそのまま上乗せしていきました。


絶対に、子どもとやったら楽しいはずだと思っていたこのゲームですが、結論からいうと、全然、ダメです。
もー、本当に全然ダメです。わたしが。1年生にすら、全然勝てないんですよ(泣)


1番のネックになっているのは、「ティンパニー奏者」のカードです。
何故かわたしは、すぐに太鼓をたたく動作をやってしまうんです。
後半になると、「太鼓の動作じゃないぞ!」と自分で自分に言い聞かせるのですが、凍りついてしまって手が上に上がらないという……。


このカードが出るごとに、わたしのところにカードがどんどん増えていくのですが。


相変わらず、素早さを競うゲームでは、「おねむちゃん」確定のようです。


「すっごい、すっごい、すっごい、おもしろかったなー」


と1年生の子が3年生の子にちょっと興奮気味に話しておりました。
3年生の子も、


「またしような」


うなずいています。


これは、かなりのヒットです。
素速さの実を、わたしにください。