カヤナック 魚、さかな、サカナ

今日、やってきたのは、幼稚園児の子どもたちです。
こういう日を待っていましたとも。


♪サカナ、サカナ、サカナー♪


の歌声とともに、出してきたゲームは、「カヤナック」です。


「カヤナック」は、イヌイットの釣りのゲームで、凍った池にみたてたゲームボードに、杭のようにさきのとんがった釣り竿で、穴を開けて遊ぶという大胆なゲームです。


ゲームボードに穴を開ける。なんて、激しいゲームでしょう。1回遊んだら、もう2回目は、遊べない使い捨てゲーでしょうか?
いえいえ、そんなことはありません。


正確にはゲームボードには、はじめから穴があいています。そして、そのゲームボードは、A4の大きさの紙をはさみこめるようになっています。
ゲームボードに紙をはさむと、全く穴のあいていない凍った池ができあがりです。


今日は、小さい子対象なので、一番簡単な基本ルールです。
サイコロを振って、出た目の分だけ氷の上に穴を開けて、そこから、釣り糸をたらします。


釣り糸の先は磁石になっていて、これで、鉄の玉のサカナを釣り上げます。
サカナは、小さい鉄の玉ですが、小さいながらも、大物も混ざっていたりします。


「これやるよー」
と言うと、
「カヤナック」
と返事が。
「あれ、これやったことありますか?」
「あります」
「へー、どこでやったの?」
と聞くと、不思議なことに
「学校」
という答えでした。うーむ。学校に行っている年齢ではないはずなのだが……。
しかも、おもちゃの置いてある学校って……???


まぁ、謎を残しながら、わたしとその幼稚園の子、2人でゲームを始めました。


サイコロは六面サイコロです。「3」の目が4つとあと、「1」の目と「2」の目。
だから、サイコロを素直に振ると、ほとんど出てくるのは「3」の目ばっかりです。


あっという間に、穴だらけになって終わっちゃうのかなと思っていたのですが、これが、穴の数、けっこう多かったです。


前も書いたように、釣り竿のお尻のところが、杭みたいにとんがっています。そこで、紙に「ブスリッ」と穴を開けるときは、大人でも、何ともいえない快感があります。ストレス解消によいかも(笑)


それから、その穴に、そーっと釣り糸をたらしていくのですが、下にサカナがいると、「カチリッ」とサカナが磁石にくっついた感覚と音がします。それがまた何というか、食いついてきた!という感じで楽しいです。


ゲームを始めて、2周ぐらいしたころに、あと2人、幼稚園の子がやってきました。


「なにこれ、なにこれ」
「『カヤナック』。サカナつりのゲームだよ。一緒にやる?」
と聞くと、1人は、
「やりたい。」
ということで、参加しました。
もう1人は、残念。ちょうど近くにコンピュータがあったので、そっちで遊ぶと行ってしまいました。
テレビゲームに、2勝1敗という感じでしょうか。


この基本ルールは、すごく簡単なので、子どもたちもしっかりと理解できたようでした。


そうそう、釣ったサカナは、サカナを入れるための木製の入れ物がついていて、そこになくさないように入れられるようになっています。
サカナは細かい部品なので、こういう配慮は、さすが子どもゲームを長年作っているHABAです。


3人でプレーしても、1回でたっぷり30分ぐらいは遊べました。


途中で、釣り竿の釣り糸の先についている磁石が、穴を勢いよく開けた弾みで、クルクルまわって、顔に当たって、ちよっと痛くて苦しんだ人がいたということ以外は、トラブルもなく楽しめました。


幼稚園ぐらいの子どもたちの場合、待ち時間がけっこうくせ者で、その間に飽きちゃったり、他の場所に行っちゃったりということがあるのですが、今回、「カヤナック」は、友だちが釣るところも、しっかりと見ていて、ビックリしました。


うまく釣れると、2ひきのサカナを1度に釣ることができます。
きょうは、1回だけですが、子どもが1度に3びきのサカナを釣り上げていました。しかも、そのうち1ぴきは、大物でした。


穴がいっぱいあいてくると、穴の下のどこにサカナがいるのかちょっと見えちゃって、自分の出番で穴を開けずにもうあいている穴に釣り竿をたらしているちょっとズルイ姿も見られました。
まぁ、その分も1回と数えたし、その分、わたしがたくさん穴を開けられるからいいか〜。
と、すっかり童心にもどってしまった今日の「カヤナック」でした。


こんなに、楽しいとは思わなかった。