2月MMGテーブルゲーム会 その6 背中 に人生を

サムライ


ライナー・クニツィーアの「このゲームは最高!」な「サムライ」です。


訳の分からない人は、実際にのゲームの箱を手にとってご覧ください。
なんというか、「日本の美」をたった1枚の箱のなかに詰め込んだような素晴らしいボックスアートです。


わびさびのある雲のかかった太陽。いただきに雪を配した山。そして、山の上の大仏。日本人の心でもある城と、それを見守る「侍」。
もちろん、空には、芸術的までに簡略化された鳥が飛んでいます。


この絵は、日本人の心に強く訴えかけるなにかをもっています。
きっと、この絵と、そこにかかれた文字を読むとき、日本人ならば、こう思うはずです。


「おまえら、日本人をなめてるやろう(爆)」


西洋人のカンチガイが爆発という感じです。
どっからどうみても、日本人にとっては、「プールポジション」以上におバカなゲームに思えてきます。


ボードは、大変複雑なかたちをしています。これは、ボードが日本地図のかたちになっているからです。北海道、本州、四国、九州と4つの大きな島とそれを取り巻く海。これが、ゲームの舞台なのです。
ただし、各島は、小学生が、うろ覚えで書いたような形をしています。いや、これは、ゲームのためにワザとこういう形になってるのかもしれません。
「アフリカ」と同じく六角のヘックスで地図が分割されていますので、ちょっと難しそうに見えます。
でも、見た目ほど難しいルールでないところは、さすがクニツィーアです。


一瞬、「サムライ」という題名、そして、この六角ヘックスのマップで、ウォーゲームを思い浮かべるのですが、全然、戦闘とかはありません。


「アフリカ」見たいに、自分を表すコマもありません。だから、スゴロク見たいなゲームでもありません。


今、うーんと考えてみたのですが、これに似ているゲームって知らないですねぇ。
陣取りゲーム……だいぶん遠いですねぇ。


ボード上の都市に、コマを配置するところからゲームは、はじまります。
コマは、日本らしく「兜」と「仏像」と「田圃」の3つ。武力、信仰、そして経済力といったところでしょうか。別に、コマは、3種類見分けがつけば、なんでもいいみたいです(笑)


「兜」ですが、ボックスアートに描かれれているような五月人形の鎧兜の兜みたいなヤツではなく、なぜか、関白・豊臣秀吉がかぶっているような烏帽子(というのだろうか)みたいな形をしています。おそらく、カンチガイ。
「仏像」ですが、大仏様と、七福神の布袋様と、こけしを足して3で割ったようなありがたい形をしています。これも、かなりアヤシイです。
田圃」は、1番まともかな。チロルチョコといわれたら、そうかなぁと思ってしまいますが。


このコマを日本中の主要な都市や村に、置いていきます。


まずは、日本の首都。ショーグンのいる江戸です。ここは、日本の中心ですから、もう、「兜」も、「仏像」も、「田圃」も、全種類1こずつ置かれます。


さて、次に、日本の主要な都市に、順番にコマを1つずつ置いていきます。都市には、コマを2つずつ置くことができます。
都市は、日本に3つだけ。エンペラーのいる「京都」、そして、「秋田」、「札幌」です。
何故、「秋田」と「札幌」?
都市の全てに、2個ずつコマを置いたら、次は、名もない村々にコマを置いていきます。


名もない村々には、1個ずつしか、コマがおけません。こうして、全ての都市や村にコマを配置したら、いよいよ本格的に、ゲームスタートです。


プレーヤーは、六角形のタイルを20枚ずつもっています。
このうち5枚だけを表に向けて、ついたての向こうに隠してもちます。ちょっと、「インコグニト」のパスポートみたいな感じです。
もちろん、ついたては、日本風に障子がデザインされています。そして、障子に映るのは……どうみても、芸者さんをあげているサムライ???
うーむ。
見事に、間違ってます。


タイルには、数字がと絵が描いてあります。これをボード上に置いていくことによって、隣接するマスのコマに影響を与えることができます。


例えば、「兜2」のタイルなら、隣接するマスの「兜」のコマに「2」の影響力を与えることができます。
「船」と、「侍」と、「騎馬武者」の絵の描かれたタイルは、隣接するマスの全てのコマに影響を与えることが出来ます。
ただし、「船」は、海の上にしか配置できませんし、「侍」や、「騎馬武者」は、陸上にしか配置できません。


コマに隣接するすべての陸上のマスにタイルが置かれると、そのコマは、ボードから取り除かれます。
このとき、1番影響を及ぼしているプレーヤーが、そのコマを得ることができます。
こうして取ったコマは、自分のついたての後ろに隠してならべておきます。
こうやって、どんどんコマを集めていくのがゲームのメインです。


ただし、1番影響を与えているプレーヤーが、同点で複数いた場合は、コマは誰のものにも為らずゲームから取り除かれてしまいます。


タイルのなかには、コマを交換してしまう力をもった特殊なタイルや、タイルを動かす力をもった特殊なタイルが存在します。
また、漢字で「侍」と書かれたタイルは、1回の手番で、何枚でも一気に出すことができます。


こうして、1種類のコマが、ボード上からなくなるなどの終了条件を満たせば、ゲーム終了です。


さて、コマをどんどん取っていくゲームなのですが、おもしろいのは、その勝利条件です。


1つのコマの種類で、単独で数がトップになっている人だけが、勝てる可能性があります。
だから、いくらたくさんコマをとっていても、どれか1種類でも、他の人よりたくさんの数をとっていなければ、勝利できません。


次に、トップを取ったコマを横によけます。
そして、残ったコマの数を数えます。残った数の多い人が勝ちになります。


だから、ただひたすら種類を限定して集めていると、「勝てる可能性」はでてくるのですが、トップを取ったコマを横によけたときに、すごく数が少なくなります。


トップの数はギリギリで取って、他のコマを集めたいところです。でも、相手がどれだけ集めているかは、ちゃんとカウンティングしてないとわかりません……。安全策を取ろうとしたら……。


まさに、ジレンマです。


最後の方、プレイしていて、ゲーム終了よりも、タイルが先になくなるんじゃないかとハラハラしていたのですが、ドンピシャリでゲームが終了したので、ビックリしました。


このあたりも、さすがクニツィーア。計算しつくされている感じです。


ちょっと、パズル、パズルしています。
「カフェインターナショナル」、「プールポジション」とパズルっぽいゲームの続いた後だったので、ちょっとしんどかったです。


でも、なかなか、おもしろそうです。ルールは、「プールポジション」より理解しやすいと思います。
手軽で、しかも頭を使うゲームです。