そっとおやすみ


さて、5月の「ころぽっくるの家ボードゲームみんなであそぼ!」の最後を飾るのは、管理人・りんが、もっとも愛するゲーム、「そっとおやすみ」です。


いやー、このゲームを子どもと遊ぶのに、わたしを選ぶとは、「ころぽっくるの家」のスタッフの方も、本当に見る目があります(笑)


「そっとおやすみ」は、7人まで可能なゲームですので、「ニャーニャー」ではアドバイス役をしていたわたしも、もちろんゲームに参加です。
↑ 下手すると、子どもを抜けさしてでも参加しかねない(汗)


「もう、1回『ニャーニャー』したいなぁ」


という声もあったのですが、


「今度やるゲームはな、おっちゃんがめっちゃ気に入ってるゲームやねん。オススメやで」


と、全然、取り合いません。


「見てみ!」


これも、HABAのリトルゲームです。缶の中に小さなカードが入っています。
缶からカードを出して、子どもたちにかわいい顔カードを見せます。


「この同じ顔のカードを4枚あつめるゲームです」


「宇宙人やー」
「ルヒィやー」


きみたちは、海賊はみんなルフィですか?(笑)
とにかく元気のいい子どもたちですので、このゲームにはむかないかも。
いやいや、インストが肝心です。インスト次第で、遊ばれかたも変わってくるところのあるゲームですので、ここはわたしも気合いの入れどころ。


「そして、これがジョーカーです。ジョーカーは、どんなカードにもなることができます」


ちょっと、声を落としてジョーカーを見せます。
わかりにくいので、そろった顔カード3枚とジョーカー1枚の組み合わせ、そろった顔カード2枚とジョーカー2枚の組み合わせ、顔カード1枚とジョーカー3枚の組み合わせ、ジョーカーばっかり4枚の組み合わせをつくってみせて、これでそろっているということを具体的に示します。


「わかる?」
「うん!」


今回、小学校中学年以上の子どもたちですので、ルールの理解ははやいです。


さて、ここからがインストの腕の見せ所。
おもむろに声を、小さく小さくします。


「さて、4枚同じカードがそろうでしょう。ここからが、このゲームのオモシロいところです。
4枚そろった人は、いつでもそのカードを、できるだけ他の人に気づかれないようにそっと、テーブルにふせるの」


自分の持っているカードを、そっとそっと、音を立てずにテーブルにゆっくりふせます。
「そうしたら、気づいた他の人も、自分のカードがそろっていなくても、そーっと、カードふせなければなりません。
 最後まで、気づかなかった人は、この『おねむちゃんカード』がもらえます。かわいいでしょう。
 このカードをできるだけもってなかった人が勝ちになります」


「そっとおやすみ」なので、「そっと」を強調しておきます。シビアな反射神経サバイバルゲームにならないところが、このゲームのよさですから。


さて、実際のゲームのスタートです。


カードを配って、スタートプレーヤーから順番に、1枚ずつ自分のいらないカードをとなりの人にまわしていきます。


このゲームの特徴は、けっこうすぐにカードがそろうところです。なんせ、プレーヤーの人数分ジョーカーが入っています。7人で遊ぶと、7枚ジョーカーが。
まぁ、ジョーカーは、あまりいらない札としてまわされることが少ないので(まわすのはよっぽどのひねくれ者というか策略家)、最初に配られたカードの中に何枚ジョーカーが入っているかというのは、けっこう大事な要素です。
でも、手が悪くても、1番最後にさえならなかったらよいゲームですので、気楽に行きましょう。


ジョーカー2枚と同じ顔カード2枚。そろった。


子どもたちは、いい感じに自分の手札をにらんでおります(笑)
いや、カードゲームするときって、けっこう大人でもこんな状態です。


まずはお手本ということで、いらないカードをまわした後、そーっと、そーっと、カードをふせます。


「えっ」


ていう感じで最初に気づいたのは、やっぱり大人、お母さんでした。
それに対して、目配せして、指を1本口の前で立てて「シー」と合図。


「うーん、これ」


とわたしのとなりの子は、まだ気づかずにカードをまわしております。
そのカードを取ろうとした子が、気づいて大あわてで、カードをふせます。


こういう激しい動きがあると、ほとんどの子は気がついて、カードをふせるのですが、まだまだ気づかないのんびり屋さんもいます(笑)


全員気づいた後、


「じゃあ、この『おねむちゃんカード』あげる」


と1枚目のおねむちゃんカードを渡して、わたしの手札を見せます。


「同じ顔のカード2枚とジョーカー2枚」
「やっぱり、ジョーカーがとくやなぁ」
「ジョーカー3枚やったら、あと、どんなカードてもいいからね」


で、2回戦目。
カードを配っている間、子どもたちは、


「ジョーカー来い。ジョーカー来い。ジョーカー来い」


と、大叫びアンド大はしゃぎです。
となりでは、低学年のグループが遊んでいますので、邪魔にならないようにしないといけませんが、ゲームが始まると、ピタッと静かになるので、まぁ、いいか。
というより、すいません。わたし自身が遊びはじめると、すぐに必死になって、周りが見えなくなるタイプです。
ちょっと、となりで遊んでいる子たちには迷惑をかけてしまったかも。


「うわー。ぼくもそろってたから、ふせようと思ってたのにー」


「はじめてそろった。見て見てー」


という感じで、何回か続くと、得意な子、苦手な子がでてきます。
やっぱり、負け続けるのは楽しくないわけです。ときには、泣いちゃうこともあるわけです。
泣いちゃっても、大人は絶対に手を抜かずに叩きつぶして、子どもは根性でゲームを続けるのが、「その子のためだ」という考え方もあるかもしれませんが、わたしは、別に子どもをゲーム選手(?)に育てたいわけではありませんので(笑)、笑って遊んでくれるのがうれしいです。また、たまには泣いちゃってもいいかと思いますがね。ゲームのこときらいにならない程度には。
ただ、あからさまに手を抜いたりするのはイヤですし、子どもに「大人はチョロイ」と思われるのは、シャクにさわります。


このゲームは、そんなとき、ちょっと一緒にゲームしている大人が調節できるよさもあります。
わたしは、自分が負けるつもりは全然ないわけですから(鬼)、当然、トップを取りにいっている子を狙うように、できる限りビリの子がこっちを見ているときにカードをふせようとするわけです。


トップは、「おねむちゃんカード」を1枚も取っていない、男の子とそのお母さん、そして、わたしです。
ここはやっぱり、大人の貫禄で、男の子を狙って、1枚ぐらい取らせてギャフンと言わせたいところです。
逆に、今日の「おねむちゃん」に確定しそうなのが、わたしの右隣の女の子です。


うーむ。わたしのカードがそろったら、カードを女の子に渡した後、男の子が見てなくて女の子がこっちを見ているときに、カードをふせなければ。


こんなことを考えていると、けっこうそろわない……。


そろった。チャンス。
こっち見ろ。女の子、こっち見ろ!


そんなことを思っている間に、他の人が、カードをそっとふせます。


しまった。ちょっと、遅れた。


「今のはおくれた人、けっこう微妙やったなー。おっちゃんか、この子か、この子が、遅かったけど、だれやと思った?」


こんな風に聞くと、絶対、子どもたちは、おっちゃんを指さすという(笑)
うぅ。雑念があるとダメだ。


その後、なんと、わたしは、一緒のことをやって、2枚のおねむちゃんカードを集めてしまったという。


だれが、手抜くのきらいやって?というか、全然、手を抜く必要がないという……。


「ぼく、1枚も『おねむちゃん』なしやーー」


狙っていた男の子は、大喜びです。
まぁ、今日のところは、これぐらいで勘弁しておいてやろう(笑)


「おっちゃんは、きみを狙ってたんやけどなー。すごい。きみは、今日の『めざめちゃん』やな」


思いの外、「めざめちゃん」という言葉が、うれしかったようです。


お母さんも、0枚のままゲームセット。注意深いのは、遺伝子かも。


全然、調節できてないやんって?


いえいえ、「おねむちゃん」に認定された子の顔も見てください。笑ってるでしょう。
ほかもう、2回ぐらいは、大人のおっちゃんを負かして、自分がカードをふせられたこともあったのですから、満足そうです。


終わりよければ、すべてよし。


ここは、大人は、思いっきりくやしがるところ。


「くそー。もう、1回!」


「もう、時間です」


スタッフの方にたしなめられているという(笑)


子どもたちにも、このゲームうけがよかったようです。
よかった。よかった。ちょっち、幸せ。


次は、6月8日(日)です。