転がっていこう。一緒に、ラッタッタと


「空の色ににいてる」に出てきた絵本「ぼくを探しに」です。


なかなか、ぼくにピッタリなカケラは見つからない。見つかっても、自分が強く求めすぎてしまって潰してしまったり……。


でも、とうとう運命のカケラを見つけたぞ。そう思って転がり出すと、完璧すぎてそのせいで、今度は、周りの世界そのものが色あせてきてしまう。
これって、子どもの本ではなくて、大人にもよく理解できる物語ですよね。


子どもに、欠けた丸の絵と、


「何かが足りない」


というセリフを見せて、


「さあ、お話をつくってごらん」


というと、正確に、何かを探して獲得していく話を子どもたちは作れるそうです。
だから、この物語は、物語の根元的な形であるのかもしれません。


でも、獲得したものをあえてはなすという選択そのものに、この作者の大人……メッセージを見ました。


でも、はなされちゃった小さなカケラがこれからどうなっていくのかが、ちょっと心配になったりもしました。


一緒に、となりあって歌いながら転がっていけるといいのにね。
ラッタッタと。