少年探偵団


謎のインド人(笑)にはじまるこの物語。
そう、ぼくが子どもの頃ぐらいまでは、こんな風に、世界は妖しくて広くて、偏見に満ちあふれていたんだなぁと。そして、ワクワクがたくさんあった。


で、今は、世界は狭くなり、それなのに混沌として、やっぱり偏見に満ちあふれているという。そして、ワクワクは少なくなった気がします。


それは、ただ単に、自分が年を取ってしまっただけなのかも……。


怪人二十面相」に比べると、どうしても、2作目はおちるような気がしますが、それでも、子どもにとっては、ジェットコースターのような物語だと思います。


読んでいる途中で修羅場が入って、かなり間をあけてから後半を読んで、後半しかあんまり覚えていないので特にそう思うのかもしれませんが、


「少年探偵団あんまり活躍してないやん!」


前は、二十面相逮捕までの大活躍だった気がするのですが(笑)


妖怪博士


これって、仮面ライダーの元ネタみたいなお話ですねぇ。
蝙蝠男は出てくるし(笑)


そして、ぼくらの仮面ライダー隊……じゃなくて、少年探偵団たちは、大活躍でした。
というか、二十面相の今回の目的は、ただ単に、少年探偵団の子どもたちを怖がらせることだという……。


二十面相……そして、乱歩……。素敵だ(笑)


B・Dバッチや、社会に貢献しようという少年探偵団たちの性格をついた罠には、正直、ドキドキワクワクと感心しました。


そして、洞窟の罠では、


「ご苦労!!」


と言ってあげたいぐらいです。
……なんで、子どもを楽しませるためだけに(笑)そこまで……。


見習わなければなりませんねぇ。


悪魔の紋章


「ワハハハ……、これはおかしい。これは傑作だ。明智君、君は探偵小説を読み過ぎたんだよ。小説家の幻想に慣れすぎたんだよ。如何にも探偵小説にありそうな結論だね。ワハハハ……、実に傑作だ。こいつは愉快だ。ワハハハ……」


この諧謔、これが、乱歩の本質なんだなぁと。
だから、悪者も、正義の味方も、生き生きしています。


以下、ネタバレありです。




宗像探偵ですが、実は読んだ瞬間、2種類のオチを思いついて、1つは、宗像探偵は実は明智小五郎だったというのと、もう1つは、宗像探偵は実は犯人だったというものです。


えーと、ドジが続くのと(オイオイ、誰も救えてないやん。どこが、名探偵だよ)、途中で、明智小五郎が出てくるのを読んで、後者の確信が(笑)


このあたり、今のわたしたちは、この乱歩のつくったパターンをよく知っているのにで、すぐにわかっちゃうんだけど、当時の人にとっては、ビックリだったんでしょうか?


確かに、変なところは、いっぱいあるのですが、そんな細かいことをいう小説ではなく、エンターテイメントとして、ジェットコースターの様に楽しめるお話です。