角を曲がれば、待っているだろうか


結局、去年中には読めずに、今年に入ってから読み終えました。


けっこう意外だったのが、指輪を火の山に放り込むのが、物語の前半だったことですねぇ。
でも、それから後に続くお話は、この長い長いお話の大団円にふさわしいものだと思いました。


むかしよんだときの記憶では、フロドがエルフたちと行っちゃう状況は、とっても、重苦しいものだという印象だったのですが、もしかすると、そうでもないかも。


「優しい心の贈り物である憐れみを軽んじてはいけない」


というのは、今回、あぁ、わたしのモヤモヤとしていものを言葉にしてくれたセリフだなぁと思った。


「不便でしたが、不幸ではありませんでした」


という言葉が、あたかも、正解のように語られるたびに、


「かわいそう」


という言葉が非難されるたびに感じていた違和感。
それが、ちょっとすっきりしました。


不幸であるかどうかは、やっぱり、人それぞれの状況によって違ってくるのものです。
ときに、人の同情が、人を救うこともあります。
それを否定すると、なんだか、住みにくい世界になってしまうような気がします。


優しさは、やっぱり、優しさとしてうけとめていきたいものです。


さて、後は、追補編だけです。


文庫本*1を持っているのに、わざわざハードカバーを買ったのは、この追補編を読んでみたかったからです。
あとで、文庫で、これも出て、ちょっとショックをうけてしまいましたが……。

*1:全6巻の字がメチャクチャ細かいやつです