バーゲンセール


ゲームファミリーの方は、家でもゲームが出来るのですが、「うつぼゲーム会」まで足を運んでくださるのは、いろいろな理由があると思います。
普段とは違うメンバーでゲームが出来るということ、また、家にはないゲームも「うつぼゲーム会」にはあるかもしれないということなどです。


ゲームファミリーの子どもたちも、同じような願いを持って「うつぼゲーム会」に参加してくれています。同学年のぐらいの友だちとゲームを遊ぶというのは、けっこう貴重なことだと思います。年齢というよりも腕が同じぐらいのレベルの相手というのも、大切です。
また、やっぱりお家にないゲームをやってみたいというのも、子どもたちにとっても大きな理由になっているようです。


ということで、小学2年生の子をいろいろとゲームに誘いますと、


「やったこと、ないのがしたいなー」


とのことです。


「具体的には?ここには無いの?」


窓際に並べられたゲームを見ながらの会話です。


「えーと、わたし『カルカソンヌの赤い箱』のやつやりたいの。ここに来たらあるって、お父さん言ってはったもん」


はいはい。「カルカソンヌの赤い箱」のやつといえば、「カルカソンヌ追加セット2 −商人と建築士−」のことですね。
なぜ2年生が、そんな情報を(笑)
というか、さすが「門前の小僧」です。


普段、お父さんとどんな会話しているんでしょう?


「お父さん、わたし『カタン』の初期配置について考えてたんだけど……」


「『カルカソンヌ』は、2点都市をいっぱいつくって、草原で点数取るのがお得だよね……」


すいません。妄想です。
でもなんか、楽しそうだ。


で、「カルカソンヌの赤い箱」のやつですが、残念ながらこの日は、「うつぼゲーム会」にはありませんでした。
お父さんが嘘をついたわけでは決して無く、多分、今回遊ぶ予定のゲームのリストのなかからもれていただけだと思います。


「それは、ないねぇ。普通の『カルカソンヌ』は?」


カルカソンヌ」は、2人でもけっこう楽しいゲームです。


「普通のは、家でもやれるからなー」


好きなゲームを選んでねと言われてこの子が選んだのが、「バーゲンセール」です。
お家のカバンから出してきてくれました。


キミ、それは家でやれるゲームやん!


というツッコミはおいといて、このゲームで遊びます。


「では、説明をお願いします」


わたしにとっては、はじめてのゲームです。2年生にインストを頼むなよ。
ルールは……日本語訳はお家においてきたようです。


どうやら、カードは、3種類にわけられるようです。買い物のリストのカードとシャツカードと落とし物カードです。


まずは、買い物リストカードの説明をしてくれます。
「このカードにかいてあるシャツをさがすの」
カードには、自分が買うべきシャツの「サイズ」と「模様」と「色」と「形」のうち3つの情報がかいてあります。


どうやってさがすかの説明です。
「シャツと落とし物は、こっちに裏むけにバラバラってするの。
 それで、『スタート』って言ったら、リストを1枚だけ表にして、それと同じシャツをさがすの。
 さがすのは、片手でしないといけなくて見つかったら、もう片一方の手で持つの。
 1枚のリストで、3枚シャツを買うの。
 3枚持ったら、リストとシャツを1まとめにしておくの」
どうやら、「アッフェンラッフェン」の様にカードをめくっていって、必要なカードをゲットするゲームのようです。
だいたいわかった。


「それで、次のリストにいって、全部で9枚のシャツを集められたら、その人が『手をはなせ!』って言うし。
 そうしたら、バーゲンセール終わりなん」


「なるほど。だいたいわかったわ」


ということで、ゲームスタートです。


「スタート」


の声とともに、2人ともリストカードを1枚めくって、バーゲンセールの商品を漁りはじめます。


「あっ、そうや。こういう落とし物をとったら、数字のかいてあるヤツは自分の前においておくの。数字のないヤツはまた山にもどすの」


なるほど。財布や携帯電話なんかには、数字がかいてあります。ボタンや入れ歯(!)なんかには、数字がかいてありません。


めくってさがすゲーム苦手です(笑)
子どもの方が、速くカードを集めていきます。


「9点の内7点あってたらいいし」


と、めくりながら教えてくれます。
えっ?どういう意味?
なんか、ルールに追加があったようです。
でも、バーゲンセールは、真っ最中です。お買い物客は血走った目で、シャツをさがしていますので、のんきに「今のどういう意味」と聞く雰囲気ではありません。


「ちょっとまって。速くカードさがした人が勝ちじゃないの?」


てっきり、正確さとスピードが問われているのだと思っていましたが。


「あとで、点数計算するよ」


点数。今まで意識しなかったけど、シャツには値段がついています。これが点数なのか?


「手を離せ!」


おわ。ビックリした。
思わず警察に、「手を挙げろ」と言われているのかと思ってしまいました。


「じゃあ、得点をけいさんするし。
 おとーさーん」


待て待て待て。お父さんは、今、別のゲームの真っ最中や。
でも、お父さん来て、点数計算を教えてくださいました(スイマセンでした)。


えーと、なんとシャツですが、完全に条件に合っていなくてもOKなのでした。それが、途中で教えてくれた「9点の内7点あっていたらいいし」の意味でした。
つまり、リストには、3つの条件がかいてあります。だから、すべてリスト通りの買い物をすると9つの条件がそろうことになって9点です。でも、9つの条件のうち2つまでは違っていてもよいというルールがあるのでした。


それからもう1つ、シャツの値段なのですが、これは、バーゲンセールなので安くおさえなければならないのでした。具体的にいうと、合計で80ユーロ以下にしなければなりません。80ユーロを超えてしまうと、そのシャツ3枚は、0点になってしまいます。
ただし、1品80ユーロというブランド品のシャツもなかには混ざっています。そういう高級シャツは、3枚とも80ユーロの高級シャツの場合だけ点数が入ることになります。このときは、高級品を集めたということで、ボーナス得点も入ります。


わたしが、泣いたのは、こっちの値段のルールです。
そんなの聞いてないよー。ということで、80ユーロのシャツが1枚混ざっていたりします。


結局、子どもの方は3組9枚のシャツをゲットして、それぞれ7点ずつぐらい固く取っていて21点ぐらいです。
わたしの方は、7枚ぐらいのシャツをゲットしていて、1組は80ユーロ以上で点数無し。残る1組は、条件すべてあっていたので9点と条件すべてあっていたボーナスで4点です。残りの1枚は、計算しないようでした。


それに、拾った価値のある落とし物の点数をあわせて、合計得点がでます。


「なんか、なっとくがいかないのですが…」


「今度までに、ちゃんとルール覚えといてや」


はい。
今、ちゃんと、購入して研究中です。


若干、複雑に感じるところもあるけど、けっこう小さい子にも楽しめそうな感じです。
バーゲンセールの商品をおくから取ってくるような感じが、よく出来ていて楽しそうです。


次回は、きちんとしたプレーをレポートできると思います。