インガ


エッセン新作といいながら、いきなり「インガ」がくるあたりからして、大嘘つきです。ごめんなさい。


「インガ」は、今日本で、一番元気にボードゲームを作っているグランバックジャパンのゲーム、エアロノートシリーズです。


今までは、けっこうスポーツ系のゲームが多いエアロノートなのですが、このゲームのテーマは、ヴァンパイア。
うーむ。ダークな雰囲気です。ちょっと、子どもとは遊べなさそうですが、大人と遊ぶのにはいい感じです。


ルールを読んでいる感じでは、ちょっと、TRPGっぽいゲームのようで、どんな感じなのか期待がふくらんでいました。


購入してから、まだ遊べていないゲームがありまして、「インガ」と「ドラゴン島」は、そのなかでも、やってみたい候補として上位に位置しています。


ということで、今回は、その思いがかなっての初プレーです。


このゲーム自分は、実体のない精神寄生生物みたいな感じです。
で、自分ら実体がないから、3人のキャラクターを操って、「ライフ」を集めています。
「ライフ」を10個集めれば、ゲームに勝利できるわけですが、最初に各自がもってい「ライフ」の数は5個ずつです。よって、お互いを攻撃しあう熾烈な争いが起こるわけです。


自分が操ることができるキャラクターは、総計50名。すべてカードになっていて、それぞれのキャラクターによって特殊能力を持っています。
種族は、人間とヴァンパイアにわけられます。人間はひ弱だけど活動時間が長く、ヴァンパイアは強力だけど夜の時間帯しか活動できないという感じです。
もちろん、カードそれぞれに「白魔術師」なんて感じで名前がついていて、「白魔術師」は、人間には無力だけどヴァンパイアには強い。そして、特殊能力として「蘇生」の力をもっているなんてもっともらしい能力がかいてあります。
なかには、「疾風の忍者」とか、「合気道師範」なんていうオリエンタルな方々もおられます。
カード見ているだけでも、けっこうドキドキします。


さて、各プレーヤーは、山札から2枚ずつキャラクターカードをとって、ゲームスタートです。


ゲームボードは、スゴロクというより将棋みたいな感じで、ボード上のどこにどこへでも移動できるタイプです。ただし、それぞれのプレーヤーのコマは1つだけで、スタート地点は、みんな離れた場所からになります。
移動にはサイコロを使いません。1マス(特殊能力を持っていれば2マス)となりのマスに移動することができます。
マスには、キャラクターカードを引けるマスや、気絶しているキャラクターを復活させることができるマスなど、色々特殊なマスがあります。


移動して、マスの指示に従って、近くに敵がいれば攻撃してという感じで、ゲームは進んでいきます。
全員の手番が終わって1周すると、時間が少しずつ動いていきます。


まずは、やることもないので、キャラクターカードを引ける街に移動しよう……。


「じゃあ、ぼく、攻撃します」


いきなり、攻撃的なプレーヤーが(笑)
その人の持っているキャラクターは、「狂気の独裁者」。ヴァンパイアに対しては攻撃力がないのですが、人間に対しては射程4しかも全体攻撃、攻撃力5という絶大な影響力をもったキャラクターです。


射程4ってあんた、ボード上のほぼ半分以上を覆ってしまいます。つまり、他のプレーヤーが3人とも攻撃されます。


攻撃側は、「攻撃力」にサイコロを振って出た目を足します。
防御側には、「防御力」という力があって、この数が「攻撃力」を下まわるとダメージを受けてしまいます。
攻撃が成功すると、キャラクターによる「攻撃効果」を喰らうことになります。


さて、この防御なのですが、ゲームが始まった時点では、時間は朝です。ということで、ヴァンパイアは行動できませんので、人間が防御することになります。


人間の防御力ですが、「命知らずの傭兵」で防御力7です。


つまり、「狂気の独裁者」は、サイコロで3以上の数字を出せば、つまり2/3の確率で攻撃が成功してしまうわけです。


そして、攻撃効果は「徴税」。「防御者から生命力1個を奪う」です。


コロコロ。


「足して攻撃力9」


そんな攻撃に耐えられる人間はいません。


「では、みんなから生命力を1個ずつもらいます」


この人、一気にライフが8つになっています。


「これって……」


さて、1周りして「昼」になりました。


「これって、もう……」


またまた、「狂気の独裁者」がみんなを攻撃する時間がやってきました(笑)


「これって、もう、ぼくの番で終わってしまわへん?」


攻撃力5に耐えきれる人間はいません。そして、射程4から逃れられるプレーヤーコマもありません。


「では、3人に攻撃」


終わりました。2周目で。


「……」


「……」


「……」


「……」


「いやぁ、終わった終わった」


周りの人から、


「すわったと思ったら、すぐに立ったし、どうしたんかと思った」


と言われてしまいました。


許すまじ独裁者。