同じ時代をうろうろと


どうやら、大化の改新から50年ぐらいの出来事をいろいろな角度から切り取って書いていくみたいですね。


ダイナミックな時代の動き(突然、平安時代や、鎌倉時代を舞台にするようなこと)は、なさそうです。


今回は、不比等の過去。
流されて、真人、史人と名前や境遇が変わっていくのは、自分が弱いためだと強くなろうとするお話。
不比等という名前には、自身の決意も込められているようです。


この人は、藤川圭介の「宇宙皇子」の第1部の敵役であることぐらいしか知らないのですが、こんな過去があったと思うと、けっこう、今の彼も理解できるような気がします。


ところで、超能力者が狂言回しと書きましたが、実は真の狂言回しというか、影の主人公は、田辺大隅というお祖父ちゃんではないかと思った。
今まで、聞いたことない人だ。
検索をかけると、長岡良子関係のページが、いっぱい出てきた(笑)
どうやら、京都、滋賀県のあたりに、実際にいた人らしいということはわかるのですが……。


「夜の虹」は、現実的な理想(管理された社会)を追う不比等と、小角たち異形の者たちの対立のお話。
最後の不比等の一言は、けっこう、印象的です。


そうしなければならない彼の悲しさが伝わってきます。