選択せよと、神がのたまう


完結編の2巻です。


えーと、第5話と第6話は、昔に書かれた話ということで、やっぱり、最新作にくらべると、ドキドキは足りない気がします。
それでも、第1話にくらべれば、おもしろいですけどね。
というか、ちゃんと話のおわりにオチがあって、わたし的には、好きなタイプのお話です。



悪徳商人みたいな、惹句がどっかにあって、1巻読んだときは、


「どこが〜」


という感じだったのですが、このあたりの作品を読むと、かなりその理由がわかりますねぇ。


で、トリー・ミューンの出てくる話です。
これは、別格におもしろいです。
まあ、このおもしろさは、ストーリーのおもしろさというよりも、トリー・ミューンのキャラクターのおもしろさという気がしますが。


でも、やっぱり、このシリーズの中では、だんとつにおもしろいと思います。


さて、以下、ネタばれありです。




まずは、登場するごとに、どんどん偉くなっていくトリー・ミューンに乾杯(笑)


で、タフの出した結論ですが、うーん、結局、無理矢理の人口制限か……。
そして、その決断を、結局、トリー・ミューンにさせるという。
これは、かなり残酷ですねぇ。


わたしの考え方は、実は、トリー・ミューンの考え方の方に近いんです。
あんまり、人工的な制限ってしたくない。
ましてや、バイオの力で、ああいうことは避けたいです…。
そうして、手をこまねいて、後戻りができなくなっちゃうタイプだな。そこが、決断しちゃうトリー・ミューンと違うところだ。


この結論そのものには同意できないんだけれど、最後の2行は好きです。
卑怯なほど、かっこいいわ。


グワーーーッと、想像力が広がる終わり方です。
もともと、作者名をみたときには、これほどはあんまり期待してなかったのです。
でも、けっこうよかったです。


これなら、ファンタジーの方も、よさげな感じですねぇ。